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コロナ緊急対策法: アップデート[EPSL (有給病気休暇) / E-FMLA (有給家族休暇)]

3/18/2020、新型コロナウイルス緊急対策法案 ”Families First Coronavirus Response Act”にトランプ大統領が署名しました。

その中で、多くの雇用主に関係する2つの規定 (EFMLA: 有給家族休暇 とEPSL: 有給病気休暇)について前回のブログでお伝えしましたが、当時は詳細が分からない点もあり

多くの企業で混乱が生じていました。

この点について幾つかアップデートがありましたので、再度基本的なポイントも含めながら

お伝えしたいと思います。


この法案の施行は4/1/2020(水)となっており、この期日が延期される事は現時点では ないであろうと思われます。

有給病気休暇 - Emergency Paid Sick Leave

[企業が抑えるポイント]

  • 施工期間: 2020年4月1〜2020年12月31日

  • 社員数が1-499人の企業が対象 - 社員数には米国国内で働く全てのFull Time、Part Timeを含めます (FLSAでは、休職中社員や派遣社員も含めるとしています) - 関連会社、グループ会社の社員数は合わせて計算できません

  • 雇用日数は関係なく、その企業が雇用する全ての社員が対象  - 会社のPayrollに1日でも載った社員は、対象ということになります

  • Full Time 社員 - 最大80時間のPaid Sick Leaveを付与する

  • Part Time社員 - 病気休暇を取得する前の過去6ヶ月間の平均時間を算出して付与 - 雇用して6ヶ月以内の社員は、今までの週平均を算出

  • 追加されたルール - このSick Leaveは次年度に持ち越せません  - 雇用主は、有給休暇を取る事と引き換えに、勤務をカバーできる人を 見つけてくると言う事を社員に要求してはいけません - 社員は他の有給休暇を使用する前に、このPaid Sick Leaveを利用できます - 同様に、雇用主はこのPaid Sick Leaveを使用する前に、既に提供している 他の休暇を先に使う事を要求してはいけません

  • 通知義務  - 雇用主はこの制定された法律に関し、社員に通知する義務があります    (こちらからダウンロードして下さい)  - Emailか郵送、またオフィス内や会社のウェブサイトやイントラネット内上に   掲載し、社員への通知徹底をして下さい

[対象社員]

  • 対象は、下記の何れかの理由で、仕事(テレワークも含む)が出来ない社員です。 テレワーク(在宅勤務)ができる社員は、対象とはなりません。

   (1) COVID-19に関して行政から隔離を要請されている

   (2) COVID-19に関して医師等から隔離を要請されている

   (3) COVID-19と思われる症状があり、医療判断を求めている

   (4) 上述 (1) - (3)に該当する人を介護/世話する必要がある    * (1) – (3) に該当する人は家族だけに限っていませんが、もう少し詳細な定義が 待たれています。

   (5) 学校、及び託児所の閉鎖などにより、育児をする必要がある     * 何歳までを子供とみなすのかという定義は、まだこの中ではありませんが、       恐らく18歳未満と想像する声が多いようです (ここは今後のアップデートを待ちたいと思います)

   (6) その他、アメリカ保健福祉省が指定した状況に似た環境下にある [企業が支払う金額]

  • 上述対象社員 (1) (2) (3) の場合 : 通常支払っている給与額、もしくはそれ以上  [上限:$511/日、総計 $5,110]

  • 上述対象社員 (4) (5) (6) の場合 :

  通常給与の2/3を支給 [上限:$200/日、総計 $2,000] [一部対象外となるケース]

  • 医療従事者や救急対応者(消防士や救命士など)

  • 社員数が50人以下で、有給休暇付与の義務により事業の継続可能が難しい場合、学校や託児所の閉鎖により仕事が不可能という理由による有給休暇について、付与が免れます。今までこの部分に対する質問が非常に多かったのですが、条件が少し追加されました。

[Emergency Paid Sick Leaveにおける税金控除について]

  • 今回対象となる雇用が有給休暇を付与した場合、支払った有給休暇額と同額の税金控除 (Tax Credit) が四半期ごとに受けられます。 連邦政府から直接助成金が支払われるわけではありません。但し、Cash Flowで困難な企業もあるため、Payroll Taxの支払いを保留して良いとするガイダンスが出される予定ですのでIRSからのガイダンスに注意して下さい

  • 新型コロナウイルス検査の義務づけによる保険料の増加分や医療費の負担部分が発生した場合、全額税金控除が受けられます

  • 詳しい内容はこちらのリンクを参照して下さい


有給家族休暇 - Emergency Family Medical Leave Act (FMLA)

[企業が抑える基本ポイント]

  • 施工期間: 2020年4月1〜2020年12月31日

  • 社員数が1-499人の企業が対象

   - 社員数には米国国内で働く全てのFull Time、Part Timeを含めます     (FLSAでは、休職中社員や派遣社員も含めるとしています)

   - 関連会社、グループ会社の社員数は合わせてカウントできない

  • 最大12週間の休暇を認めるもの - EFMLAと従来のFMLAを合わせて12週間なのか、今の所明白ではありませんが、 恐らく今までのものに「加えて」という事になりそうだと思われています

  • 従来のFMLAと異なり、賃金は企業負担となります

  • 従来のFMLA同様、復職した時に同様のポジションを用意している必要があります。但し社員数が25名以下の企業においては、このルールの適応から外れる場合があります (詳細は後で記載してあります)

[対象社員]

  • この法律の施行前に30日間、その企業に勤務した社員が対象 - 従来のFMLAへの対象条件(例えば12ヶ月・1250勤務者)は今回には   全て当てはまらず、唯一の条件が、この30日間

  • 対象は、下記の理由で、仕事(テレワークも含む)が出来ない社員です。 テレワーク(在宅勤務)ができる社員は、対象とはなりません。 - 学校、及び託児所の閉鎖などにより、18歳以下の子供 (Son & Daughter)の   世話をする必要があるという理由で仕事ができない場合は対象です

[企業が支払う金額]

  • 雇用主は12週間の内、最初の10日間は無給として提供可能

   - この場合、恐らく社員はPTOやPaid Vacation、Paid Sick Leaveをこの10日に     当てると思われます。但し、企業はPTO等の使用を強制することはできません。

   - 雇用主は、有給休暇を取る事と引き換えに、勤務をカバーできる人を     見つけてくると言う事を社員に要求してはいけません

  • 最初の10日が過ぎた後は通常給与の2/3を支払い [上限:$200/日、総額 $10,000]

   - Part Time社員の場合、過去6ヶ月の平均時間に応じて給与を算出 [一部対象外となるケース]

  • 医療従事者や救急対応者(消防士や救命士など)

  • 社員数が50人以下で、有給休暇付与の義務により事業の継続可能が難しい場合、 この規制から免除されます (Paid Sick Leaveと同様の条件です)

[社員数25人以下の企業における復職・復帰に関して]

通常のFMLAの規定とは異なり、以下の条件が揃った場合、復帰した際に同様のポジションを用意しておかなくてはいけないという規定の対象外となります

  • 社員がE-FMLAを取得した

  • 社員が休暇を取得する際にいたポジションが、経済的な状況や今回の緊急措置に よって社内の組織を変更せざる得なくなり、それが該当社員のポジションに影響した

  • 雇用主はその社員が元いたポジションに同じ賃金、同じベネフィットといった条件で復職させられるよう正当に努力した

  • 努力したものの同様のポジションを与える事ができなかった。 また、その後1年の間に同様のポジションが出た場合、該当する社員にきちんと 連絡をした(連絡を取る手段を尽くした)。

[Emergency Family Leave における税金控除について]

  • 今回対象となる雇用が有給休暇を付与した場合、支払った有給休暇額と同額の 税金控除 (Tax Credit) が受けられます。 連邦政府から直接助成金が支払われるわけではありません。

[その他保留となっている上院法案について]

  • まだ法案が通っていませんが、給与支払いに関して$10 millionまでのSmall Business Loanについてこの法案に含まれています (Loanが免除される、しかし社員を解雇、若しくは給与を25%以上カットした場合はこの免除額が減額される、などと言った内容の予定)。引き続き注視していく必要があります。

  • 3/1以降に解雇された社員で、その後再雇用された場合、その社員に対してはFMLA休暇の取得を認める

★ その他カリフォルニア州の定める休暇について

上記2つのE-PSL(病気休暇)とE-FMLA(家族休暇)は連邦政府が定めたものですが、

カリフォルニア州には、独自の休暇制度があります。それらとの今回の連邦が定めた緊急休暇制度とがどのように関連してくるか、という事についてはまだ不透明な点が多く、この点も連邦政府からのアナウンスが待たれますが、ぜひ気を付けていきたいところです。

  • California Family Rights Act (CFRA)

  • California Workplace Healthy Family Act

  • Local Paid Sick Leave Ordinances

  • California Labor Code Section 230.8 (社員数25名以上の企業対象)

このところ、非常に短いスパンで新しい情報や法律がアップデートされており情報が錯綜しがちですが、弊社では引き続き、お客様へ出来る限りのサービスをして参ります。 遠慮なく、ご相談・ご連絡ください。

そして皆様、どうか安全にお過ごし下さい。


参考:



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