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PFL (有給家族休暇) in CA Part 2

前回のブログでPFLの概要についてご紹介をさせていただきましたが、 今回はもう少し具体的なケースについてご紹介いたします。 休暇や給与といった、Sensitiveな話題を取り上げますのでご参考にして下さい。


まずは、PFLについての簡単なおさらいですが、 PFL(Paid Family Leave)とは、「家族が重病にかかった際の看病、出産、育児、

養子縁等を理由として休暇を取る場合、“有給”として認める」という制度です。 PFLでは最大6週間、賃金の約60〜70%(所得に応じて)の支給額を

受け取ることができます、というものでした。


では、早速具体的なケースを見ていきましょう。


★どのように賃金を支払うのか?


例えば、7月1日(月)〜5日(金)までは通常通り勤務し、 翌週の、7月8日(月)〜12日(金)はPFLを利用して休む場合、 賃金はどのようになるでしょうか?(通常勤務日が月曜日〜金曜日の会社だったとします)


1週目は通常通り勤務していますので、100%の賃金を会社が支給します。(通常通りです) 2週目はPFL休暇ですので、会社から賃金を支払う義務は発生せず、 PFL(州)から賃金の約60〜70%(所得に応じて)が支給されます。 この場合Non-Exempt社員もExempt社員も考え方、取り扱いは同一です。 表にすると以下のようになります。


1週目:7/ 1(月)〜5(金) 2週目:7/ 8(月)〜12(金) 勤怠 出勤 休み 給与 会社が支払 会社の支払義務なし PFL支給額 支給されない 支給される(※)

(※)あくまでEDD(カリフォルニア州雇用開発局)の認可が下りることが前提です


★Exempt社員がPFLを申請したら?

日系企業が何かと頭を悩ませるExempt社員の取り扱いですが、 PFLに関してもよくご質問をいただきますので、ここでご紹介します。

Q: もしExempt社員から「週半ばからPFLを利用して休みたい」という申請があったら、どのように対応すべきでしょうか? 前提として、Exempt社員は「1週間のうち1時間でも働いていたら100%の給与を支給する」というルールがあると聞きましたがPFLの場合も同様に扱うべきでしょうか?

 ※ Exempt社員とは?についてはこちらのブログをご覧ください。


Non-Exempt社員には「時給」という考え方があるためか取り扱いがわかりやすいのですが Exempt社員には時給の概念がなく、悩まれる方も多いと思います。

実はEDD(州)もExempt社員の取り扱いについてスタンスやルールを明確にしていません。 そのため解釈や運用は企業に委ねられていますが、基本的にはPFLの場合も同様に扱う事をお勧めしています。

具体的には、「1時間でも働いていたら給与を払う」もしくは「PFLを取るのであれば、働かないように指示する」というスタンスを取ることをお勧めしています。


今回のケースは、週半ばから休みたいという事ですので 例えば、7月8日(月)〜9日(火)までは通常通り勤務し、 10日(水)〜12日(金)まで休みたいという申請があった場合は 以下のいずれかの対応を取ることをお勧めします。


  • 対応1:8日(月)・9日(火)の2日間勤務しているので100%給与を支給する (つまり、PFLとしての休みにしない)

  • 対応2:PFLとしての休みにする。ただし8日(月)・9日(火)も働かないように指示し、給与は支給しない


対応1にすると「3日も休むのに1週間分の給与を払うのは腑に落ちない・・・」と 違和感を覚える方が多いようですが、 Exempt社員は休んだとしても特定の場合を除いて給与控除はできない等の ルールがありますので、(詳しくはこちらのブログ) PFLについても例外ではなく、同様の考え方で対応することをお勧めします。


★余っている有給を先に使える?

もう一つよく頂くご質問をご紹介します。

Q.PFLの申請があっても、通常の有給が余っている従業員には、 そちらを先に使ってもらうことはできるのでしょうか? 会社としては有給が余っているならそちらを先に使ってもらいたいのですが。


どの種類の休みを使ってもらうか?というご質問ですが、 余っている有給を先に使ってもらうよう、強要する事は出来ません。 あくまで従業員の意思で、どの種類の休みを使うかを選ぶ事が出来るとされています。

”従業員の意思”がキーワードですので、 「強要された」と従業員に認識されないよう注意が必要です。

中には「通常の有給であれば賃金の100%が支給されるのに対して、 PFL休暇は賃金の60〜70%と減額になるので、余った有給を先に使いたい」と考える従業員もいます。 有給を先に使う事は会社だけではなく従業員側にもメリットがあると考える人もいるため、 これらのメリットも伝えて従業員自身に選択してもらうのが良いでしょう。


出来るだけ有給消化をしてもらいたいという企業もあるかと思いますが 「復帰後に急に休むことを想定して有給は残しておきたい」と 考える従業員もいますので、後々トラブルにならないよう よくコミュニケーションを取って対応したいものです。


以上、2回にわたってPFLについてご紹介をさせていただきました。

これまで見てきた通り、PFLについては州も見解を明確にしていない部分もあり、 迷う点・悩む点もあるかと思います。

さらに、出産や介護などを抱えた従業員は不安な気持ちを抱えており、 些細な一言・対応が誤解やトラブルを招くことにもなりかねません。

制度の趣旨やルールを押さえることはもちろんですが、従業員一人ひとりの気持ちに寄り添って、それぞれの会社や個々人にあった対応を取ることが大事になります。


This material is for informational purposes only as of date posted and not for the purpose of providing legal advice. You should always contact your attorney to determine if this information, and your interpretation of it, is appropriate to your particular situation. この資料は、掲載した日時点における情報提供のみを目的としており、法的助言を提供する目的ではありません。 この情報とその解釈が御社の特定の状況下で適切であるかどうかは、弁護士等にご確認ください。



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