人を見る

先日、とある企業の副社長様より、こんな質問を頂きました。

川崎さんはお仕事柄、いろいろな人々を「見ている」と思います。 その時に、こういうことは必ず見る、というような事があれば教えていただけませんでしょうか。 培っていた「ノウハウ」を簡単に教えていただくことは図々しいことですので、 ヒントみたいなことでも結構です。

どちらかと言うと感覚的にやってきたことも多いので 質問されるとなかなかずばりと回答しにくい。。。 ただ自分はどのように人を見ているのか、これも良い機会かと思い 自分が面接をする際のスタンスや基準を少しまとめてみる事にしました。

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第一印象というのはあくまで印象ですし、採用するポジションや企業、 または業界によっても様々な基準があります。 従ってこれだけによって採用を決めるべきものではないと思いますが、 それでも面接という特別な場面において、第一印象から得られるメッセージというのは 無視できるものではありません。 下記に挙げたような、「見た目の身だしなみ」と言う事だけでなく、受け答えの仕方や 面接での態度なども含まれます。 ビジネスマナーとして最低限の事がクリアーしているかどうかは、判断材料になっています。

・挨拶がない ・目を見て話さない ・遅刻をしてきた (事前に連絡もない) ・言葉使いが汚い、幼稚、など ・服装の乱れや身だしなみ ・横柄な態度

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お客様の面接に行ってきたアプリカントに、「面接はどうでしたか?」と聞くと 「あまり自分への質問をされず、アピールを上手くできたか分かりません」 と言う答えが返ってくることが良くあります。 面接官が会社やポジションの説明、これからのビジョンなどを語り それに基づいて 「これは出来ますか」「あれは出来ますか」というような質問に終始し、 ほとんど面接官が話をして終わってしまうパターンですね (笑)

アプリカントは熱心に話を聞いて、時に相槌を打ち、コミュニケーション力のある人であれば 面接官のそんな話に対して質問をしたり、自分の過去の経験話を少し入れたりして 話が盛り上がる。

面接官がなんとなく意気投合した気になって雇ってしまう、典型的パターンです (;^_^A

私は八割方、アプリカントの話を聞いています。 アプリカントの話が少々長くても、答えるまでに多少時間がかかっても、待ちます。 もちろん、中には緊張して言葉が上手く出てこない方もいますので、多少気持ちをほぐすために 私が会話をリードする事もありますが、基本は聞くことが大事だと思っています。

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話を聞く、と言ってもさらっと一遍通りの事を聞いて終わるだけでなく 深く掘り下げて聞いていきます。 未来の事よりも、どちらかと言うと過去の出来事についてじっくりと聞いた方が 人となりを理解するのに有効である気がします。

例1 ============================================= 🐵面接官:     弊社はアメリカで立ち上げたばかりでとても忙しい環境ですが、大丈夫ですか? 😺アプリカント:  はい、今までも経験がありますし、忙しい環境は好きですので大丈夫です。

🐵面接官:     分かりました。 それでは、、、(と次の別の質問へ)   ✖ 🐵面接官:     経験があるのですね。どういった経験か、もう少し教えて頂けますか? 〇 🐵面接官:     立上げを経験しているのですね、どういった点が大変でしたか? 〇 =============================================

例2 ============================================= 🐵面接官:     なぜその会社をお辞めになったのですか? 😺アプリカント:  5年働いて一通りの事は出来るようになり、キャリアアップのため転職しました

🐵面接官:     分かりました。 それでは、、、(と次の別の質問へ)  ✖ 🐵面接官:     一通りの事というのはどんなことか、もう少し具体的に教えてもらえますか? 〇 🐵面接官:     あなたにとってキャリアアップというのは、どういった事だったのでしょうか? 〇 🐵面接官:     今より上のポジションを目指さなかったのはなぜでしょうか? 〇 ============================================= 等々。

「なぜこの職種を希望しているのか?」、 「なぜ、大学では〇〇学部で学んだのに、全く畑の違う職業を選んだのか?」 と言った「なぜ?」 「具体的にはどういったクレームを受ける事が多いですか?」 「そういったクレームに対して具体的にどのように対応するのですか?」 と「具体的」な内容を掘り下げて聞いていきます。

そうする事で、 ・仕事に対しての考え方、取り組み方 ・何が得意で、不得意か ・何を大切にしていて ・どんなことを考えて ・どういう行動をする人

なのかという個性を知ることが出来ます。

あら探しをするという事ではなく、そういった性格や個性が、 自社の社風にあっているのか、現状ある課題を解決するのに必要な人物像なのか を見極めてほしいと思います。 学歴や働いてきた企業名(肩書)における先入観をいったん脇に置いて じっくりと聞くこと、大事です。

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私に質問を送って下さったこの副社長の方は、私にマルコム・グッドウェル著 "Blink"、 邦題は「第1感 - 最初の2秒のなんとなくが正しい」という本を紹介してプレゼントして下さった方でした。

第1感、直感ともいえるかもしれませんが、この「第1感」は「第一印象」とは違います。 第一印象も良く、面接慣れをした話が上手な相手であると、なんとなく流されがちですが、 「なんとなく感じた違和感」を無視しないようにしています。

例え経験もスキルも会社の求める要素を満たしていても、 ここで違和感を無視すると、 保身のために他人の足を引っ張る人だった、など 雇ってから手遅れという事になりかねません。

面接するうえで最も重要視するのは、人間性。 いくら仕事ができても、職場のチームワークを乱す人は会社では歓迎されません。

前述した深く掘り下げた質問をしながら、誠実な人間か、 自分本位な人物ではないか等、その人間性に重きを置いて質問していきます。

この「なんとなく感じる違和感」、面接の場だけではなく 面接に至るまでのメールや電話での連絡のやり取りの中で感じる事も多いです。

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仕事は自分一人ではできませんから、やはり相手へのリスペクトがあるかどうか非常に重要です。 特にアメリカでは、多種多様な人種と一緒に働く事になりますから、 自己中心的ではなく、相手の意見をきちんと聞き入れる事ができるか、 日本から来た企業の文化などを理解しようとする姿勢があるかどうかといった事は、 とても大切だと思っています。 特に日本から来たばかりの企業へリクルート活動する時などは この点を気を付けて面接していると思います。

相手へのリスペクトがある人は、自分を俯瞰して見られる人でもあると思うので 例え上手く行かない事があったり、上からの注意を受けることがあっても 内省の力をもって成長する事が出来ます。 こうした前向きな態度は、周りへもポジティブな影響力をもたらしますが、 逆の場合は、組織を大きく混乱させますので、気を付けなくてはいけません。

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終身雇用はなくなり、特にアメリカでは転職する事が当たり前の事ではありますが ある程度キャリアプランを認識しておくことは大事だと思います。 特にリクルーターの私には、半年後にMBAを取得するため学校に戻ろうとしているのか、 海外でチャンスがあればそれを優先したいのかオープンに話をしてもらうようにしています。 会社の事業計画の中で、戦力となってもらえる人を雇いたいわけですから、 そこと大きく離れるようであれば、もういった会社のプランを話して理解を得ておく必要があると思います。

以上、こんなかんじでしょうか。

[まとめ] 1. 第一印象はやはり大事 2. とにかく話を聞く(させる) 3. 過去の事を深く掘り下げて聞く 4. 第1感を疎かにしない 5. 他人へのリスペクトがあるかどうかを確認する 6. キャリアプランを確認する

面接って、結構面接している方が緊張したりします。 特に日本から駐在として赴任し、面接をしたことがない方なら尚更だと思います。 面接している人を、候補者も冷静に観察していたりしますから。 だからこそ、納得のいく面接をできるよう、予めしっかりと準備をして 自社に合った人材を採用して欲しいと思います。

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